皆さんは山がお好きですか?
豊かな緑に美味しい空気、春には山菜やタケノコ狩りと、山歩きは楽しいものですね。
でも……
もし熊と出遭ったらどうしよう!?
熊による被害のニュースを見て、心配になる人も多いのではないでしょうか。
私も田舎暮らしなので、熊が出た!なんて町内放送を聞く度にドキドキします。
しかも中には人を食べる熊もいたりして…。
そこでこの記事では、熊が人を食べた事例から対策までを調べてまとめました。
山に入る前に是非ご覧ください。
熊が人を食べた事件の事例
人食い熊って日本にもいるの?
ということで、まずは日本で起きた事件を三つ、簡単にご紹介しますね。
① 三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)
1915(大正4)年、冬の北海道にて、体長2.7メートルものヒグマに襲われ開拓民7人が死亡・3人が重傷を負った事件。
日本史上最悪の獣害事件として知られています。
ヒグマは女性や子供を中心に狙い、犠牲者の中には生きながら食べられた妊婦も……。
② 日高福岡大羆事件(ひだかふくおかだいひぐまじけん)
1970(昭和45)年、北海道で登山をしていた福岡大学の学生3人がヒグマの犠牲になった事件。
学生が死の直前までつけていた日記が残っていて、ヒグマに追跡される恐怖がひしひしと伝わってきます。
③ 十和利山熊襲撃事件(とわりやまくましゅうげきじけん)
2016年、秋田県でタケノコ採りをしていた4人がツキノワグマに襲われ死亡した事件。
複数の加害熊のうち、3人を食害した熊は「スーパーK」と名付けられ周辺の住民を恐怖に陥れました。
またこの事件では、検問設置後も入山する人が後を絶たず、そのために被害が拡大しています。
どの事件も多数の死亡者が出ていますね。
2メートルもの熊に追われ食べられる……想像しただけでも震えてしまいます。
私は三毛別羆事件の再現ドラマを見て、あまりの生々しさに本当に眠れなくなりました。
熊はなぜ人を襲って食べるの?
聞くだけでも怖い人食い熊による事件簿。
でもどうして人間を食べるんだろう?と気になるところです。
熊が人を襲う理由は大きく分けて三つ。
① 不意の遭遇に驚いて
山の中で突然知らない人が現れたらびっくりしますよね?
熊も同じで、驚きのあまりつい手が出てしまうようです。
② 子熊を守るため
もし自分の子どもに知らない人が接近してきたらどうでしょうか。
親の愛情は熊も同じで、子熊に人が近付くと、どんな理由でも母熊の攻撃を受けてしまいます。
③人間を排除するため
山菜やタケノコ狩りの時期に多いケースです。
人間が餌場を横取りしたと勘違いしたり、人間の持っている食料を欲しがったりと、空腹のあまりの行動ですね。
こうしてみると、熊としても、初めから人間を食べるつもりではなくあくまで「ついで」のようです。
身を守るためのはずが、その途中で人の脆さや肉の味を知り、人食い熊となってしまう……何だか悲しいですね。
人が熊に教われないための対策は?
とはいえ人食い熊が危険なことには変わりありません。
幸い熊に襲われない最大の秘訣がありますので、早速お伝えしますね。
それは……
熊との遭遇を避ける!!
これだけです!
「当たり前じゃん……」と思いますよね。
実は調べていて私も思いました。
とはいえ出遭わなければ襲われない。
生還率100%。
自信を持って、まずは全力で熊とのエンカウントを回避していきましょう。
足跡や糞などまだ新しい熊の痕跡を見つけたら、すぐに山を降ります。
鈴やラジオを鳴らしたり、大声を出したりして、自分の存在を知らせるのも定番の方法ですね。
また熊は数キロ先から餌を見つける嗅覚の持ち主です。
テントやリュックにはなるべく臭いの強い食料を置かないように気を付けてくださいね。
またもうしているかもれしれませんが、熊の出没時間と出没地域はチェックしておきましょう。
熊の出没時間と出没地域は?危険を回避するにはどうすればいい?
それでも熊に出遭ってしまったら?
「避けるのが一番だけどそれが難しいんだー!」
とつっこみたくなるお気持ちよく分かります。
そこで遭遇してしまった場合の実践的な撃退法も調べてみました。
① 物を投げる
帽子やカゴなどを投げて、熊が気を逸らしているうちに距離を取ります。
その際背中を向けるのは絶対NG!
かえって熊の本能を刺激してしまいます。
② 撃退スプレーをかける
ホームセンターなどでは熊用の撃退スプレーも売られています。
熊の頭部に向けて噴射すると、主成分の唐辛子が目や鼻に痛みを与えて怯ませてくれます。
人間にかかると失明の危険があるので、風向きにはご注意を。
③ 武器を持つ
山に入る際にはナタや斧など武器になるものを持っていきましょう。
また丈夫な木の枝を拾っておくだけでも頼りになりますよ。
元々臆病な熊は反撃されると逃げ出すことが多いそう。
もちろん非常に危険なので、あくまで応戦は最終手段と考えてくださいね。
まとめ
以上、人食い熊について書かせていただきました。
まとめると
- 人食い熊による日本の重大事件は「三毛別羆事件」「日高福岡大羆事件」「十和利山熊襲撃事件」
- 熊が人を食べるのは主に「ついで」
- 遭遇を避けるのが一番の対策
- 山に入る際には武器を持つ
となります。
初めから人を食べるために生まれてくる熊はいないのですね。
熊が自分の身を守るように、人も無闇に山に立ち入らず、またしっかりと備えをしておくのが共存への近道ではないかと改めて思いました。
この記事が、安全に山登りを楽しむためのヒントとなれば幸いです。
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