豆知識

バナナに黒い斑点が出来るのはなぜ?食べても大丈夫?

バナナの黒い斑点

バナナを置いておくとすぐにできてしまう黒い斑点。

もったいないから食べるけど、見た目もイマイチだし大丈夫なのかしら……

と不安になったりしませんか?
 

私もこの黒い斑点には悲しい思い出があります。

幼児番組で流れる童謡「バナナのおやこ」が大好きで、いつも歌っていたのですが、ある日見てしまったのです。
 

食卓に置かれたバナナをむしばむ黒いポツポツを……
 

現実を知った私はその場で大泣き、しばらくバナナが食べられなくなる羽目に。
 

今回はそんな黒い斑点にスポットを当てて、食べられるかどうかや出来る原因、バナナの保存方法まで徹底解明していきます!
 

バナナに黒い斑点が出来るのはなぜ?

「パパバナナ♪ママバナナ♪子バナナ~♪」と無邪気に歌っていた少女を恐怖のどん底に突き落としたバナナの斑点。
 

調べてみると、この斑点は「シュガースポット」というんだそう。

可愛らしいしむしろ白そうな名前じゃないですか!
 

その正体はバナナに含まれるタンニン(ポリフェノールの一種)が酸化したもの
 

どうしてタンニンが酸化してしまうのか、さっそくその原因を探っていきましょう。
 

黒い斑点ができる原因『追熟』とは?

バナナに黒い斑点ができる原因はずばり「追熟」。
 

ちょっと聞き慣れない言葉ですよね。
 

バナナは黄色く熟した状態でお店に並びますが、実は完熟するのはもう少し先。
 

そこで完熟するまで常温にしばらく置いておくことを「追熟」と言います。
 

明日の朝食に……と買ってきたバナナを半日とっておくだけでも「追熟」が進んでいるんですよ。
 

追熟で黒くなるのはなぜ?

追熟すると黒い斑点ができるのは、バナナに刺激が加わったから
 

追熟中は果肉に含まれるデンプン質やペクチンが分解されて糖ができ、どんどん甘く、柔らかくなっていきます。

そのためテーブルなどに触れ続けているとバナナの細胞壁が壊れてしまい、そこから酸化して黒ずんでしまうのです。
 

シュガースポットの名前の通り、黒い斑点は「ここ甘くなってるよ~」というバナナからのアピールでした。

どのくらい甘いかというと、青い状態だと数%だった糖分が、黒い斑点が出る頃には20%以上にアップするほど。
 

甘いバナナが食べたいなら断然黒です!
 

バナナは黒い斑点があっても食べられる?

バナナの黒い斑点
意外にもバナナからの甘いアピールだった黒い斑点。

もっと他にアピールの仕方なかったんかい(主にビジュアル面で)と思わなくもないけれど、確かに、黄色に比べてねっとりと濃厚な甘さが際立ちます。
 

とはいえ熟しすぎると傷んできてしまうので、食べられる目安としてはこんな感じ。
 

食べられる?食べられない?黒いバナナの判断目安

  • 皮に黒い斑点……OK
  • 皮全体が黒……NG
  • 実の一部が黒……OK
  • 実の全体が黒……NG

 

皮にできる黒い斑点模様は「シュガースポット」なのでもちろん食べてOK。
 

皮の広範囲がまんべんなく黒くなっていたら腐っている可能性が高いので食べるのは控えましょう。

明らかに人を寄せ付けないどす黒さ&グニュッとスライムのような感触のバナナは思い切って処分!
 

皮には斑点がないのに実の一部が黒いバナナも食べてOK。

これは運搬などによる衝撃で実に傷がつき、そこから酸化したものなので、健康に影響はありません。

黒い部分は味が落ちるため取り除いてから食べるのがいいでしょう。
 

ただし実全体が黒い場合は腐っているのでご注意を。
 

栄養の宝庫!黒いバナナの健康パワー

黒くなっても美味しく食べられるバナナ。

むしろ黒い斑点が出るまで熟したバナナは食べないともったいないほど栄養たっぷり、甘いだけでなく健康にも嬉しい効果を発揮してくれるんです。
 

●黒いバナナの健康効果
  • 免疫力アップ
  • がんの予防
  • 心臓病と脳卒中の予防
  • 胃の保護

 

完熟したバナナを食べると白血球や抗酸化物質が増え、免疫力が高まります。そのパワーは完熟前の約8倍
 

さらに驚きの効果ががん予防。

「腫瘍壊死因子」というタンパク質が悪性腫瘍を壊してくれます。
 

また血圧の上昇を抑えるカリウムや胃を保護するリン脂質もたっぷり。

バナナ2~3本分(カリウム1500mg)を毎日摂取するのが心臓病や脳卒中の予防に効果的だそう。
 

バナナが体に良いとは何となく知っていたものの、これほどだとは!

青や黄色のバナナも便秘解消や美肌効果が期待できますが、将来の健康を思えばぜひ黒バナナも食卓やおやつに取り入れていきたいですね。
 

バナナの適した保存方法は?

バナナの黒い斑点
美味しくて健康にも良いとなると、できれば上手に追熟して長く味わいたいですよね。

そこでバナナをぐーんと長持ちさせる保存方法をご紹介します。
 

バナナの保存方法

(1)追熟するなら常温保存

追熟は常温で進むため、バナナを買ったら新聞紙にくるんで直射日光の当たらない場所に置きます。

重みがかかるとそこから傷むので、バナナの反った側を上にして山なりに置くのがポイント。
 

なお冷蔵庫に入れると追熟が止まる上、寒さで真っ黒になってしまうので注意!
 

(2)完熟したら冷蔵保存

黒い斑点が出たら、一房ずつラップに包んで冷蔵庫へ。

追熟が止まるため傷みを防げますが、数日中を目安に食べ切りましょう。
 

(3)後で食べるなら冷凍保存

完熟したバナナを冷凍するには、皮を剥き、空気が入らないようぴっちりとラップをします。

半解凍すればひんやりバナナアイス、ミキサーにかければ濃厚なバナナジュースに大変身。
 

(4)とにかく日持ちの50℃洗い

「試してガッテン」で紹介された方法ならバナナが3倍も長持ちするんだとか。
 

やり方は簡単で、バナナを50℃のお湯に5分つけてから常温に置いておくだけ
 

これは「熱いじゃねーかコラァ!」と身の危険を感じたバナナが熱に強い物質を生み出すため。

するとバナナの抵抗力が上がり、日持ちも良くなるそうですよ。
 

ポイントは完熟前のバナナを冷蔵または冷凍庫に入れないこと。

冷やした瞬間バナナの成長は止まると心得ましょう!
 

まとめ

  • バナナの黒い斑点は追熟によるタンニンの酸化で出来る
  • バナナは黒い斑点があっても食べられる
  • 皮や実全体が黒いバナナはアウト
  • 完熟したバナナは免疫力を上げたり病気を予防する栄養素が豊富
  • バナナを長持ちさせるには「常温の冷暗所に置く」「完熟したら冷蔵または冷凍庫」「50℃洗い」

 

黒い斑点に「シュガースポット」なんて名前があったのにはびっくり。

別名を「スイートスポット」とも言うそうで、女子に人気の映えるスポットみたいなおしゃれ感……何よ黒いポツポツのくせに!
 

と幼少期のトラウマから反発心たっぷりで書き始めたのですが、あまりの健康効果にぐうの音も出ません。
 

どこでも買えて安くて健康にいいって最高じゃん(悔しいけど見直した)
 

ということで黒い斑点のあるバナナは食べて大丈夫!

どんどん美味しくバナナを食べて、健康的な毎日をお過ごしください。