興奮した時に「アドレナリン出てきた~!!」と言って騒ぐ人、よく見かけますよね。
そのおかげで、医学の知識が無い私でも「興奮すると体からアドレナリンが出るらしい」というのは、ぼんやりと知っています。
ただ、最近になって「ノルアドレナリン」という言葉もよく聞くようになりました。
ノルアドレナリンって…いったい何なの??
アドレナリンとノルアドレナリンって、何がどう違うの??
ネットで調べてみても、専門用語ばかりでイマイチよくわからない…(´;ω;`)
でも、何とかしてこの疑問を解決したい!!
そこで今回は、私なりに調べまくった知識をもとに「アドレナリンとノルアドレナリンの違い」について、できるだけわかりやすい表現でまとめてみました!!
アドレナリンとノルアドレナリンの違いは何?それぞれの作用は?
まず、それぞれについて簡単に説明しますね。
アドレナリンとは「体の状態に作用するホルモン」で、主に副腎皮質から分泌されます。
ノルアドレナリンとは「脳と心の状態に作用する神経伝達物質」で、主に脳内で分泌されます。
そしてどちらも「ストレス状態や危機的状況で分泌される」という共通点があります。
わかりやすい違いとしては、
- アドレナリンは「体」に作用
- ノルアドレナリンは「脳と心」に作用
という感じですね☆
いやそもそも、ホルモンとか神経伝達物質が何なのかさっぱりわからんのじゃ!!
って話なんですけど(;´Д`)
ホルモンと神経伝達物質って何?
ホルモンを一言であらわすと「体中を巡って指令を届けるメッセンジャー」みたいなものです( ´∀`)
ヒトの体の中には、脳下垂体、甲状腺、副腎皮質といった「内分泌腺」があります。
内分泌腺で分泌された「ホルモン」は血液の中に入り、「指令メモ」を持ってぐるぐる体中をめぐります。
ホルモンは特定の器官にたどり着くと、その指令メモを器官に渡します。
指令メモを受け取った器官が指令通りに動くことで、体温、血圧、血糖値などの調節が行われているわけです。
そして、神経伝達物質は「脳内ホルモン」とも呼ばれ、一言であらわすなら「脳内で信号をやりとりするための運び屋」みたいなものです( ´∀`)
ヒトの脳の中には数百億の「神経細胞(ニューロン)」があります。
それぞれの神経細胞からびょびょ~んと枝のようなものが伸びていて、その先に「シナプス」という部分があります。
シナプスからお隣の神経細胞へ「神経伝達物質」がぴゅんぴゅん送られることにより、脳内で信号が運ばれます。
それによって、呼吸する、消化する、見る、聞く、動く、考える、記憶する、などのコントロールが可能になるわけです。
どんな時に分泌されるの?
アドレナリンもノルアドレナリンも「ストレスや生命の危機を感じる状態」になると分泌されます。
具体的にはどういう時?といいますと、
- 恐怖や不安を感じた時
- 怒りや悲しみを感じた時
- お腹がすいた時
- 運動している時
- 緊張している時
- 興奮している時
など、どれも動物として「敵から身を守る時」や「生命の危機に関わる状況」で分泌されるということですね(´・ω・`)
でも実際は勉強や仕事をするだけでも「軽いストレス状態」になり、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されるようです。
アドレナリンが分泌されるとどうなる?
アドレナリンが分泌されると、
- 心拍数の増加
- 血糖値の上昇
- 気管支の拡張(呼吸しやすくなる)
- 消化機能の低下
- 瞳孔が開く
- 皮膚血管の収縮(出血をおさえる)
- 感覚麻痺(痛みを感じにくくなる)
などの変化が起き、まるで運動している時のような体の状態になります。
運動というよりむしろ「クマと戦うときに有利な状態」って感じですね。
クマと戦う時には、傷口からの出血は極力おさえたいですし、痛みも感じたくないですよね。
瞳孔も開いてたほうが、ちょっと強そうに見えますし…
ただし、アドレナリンの過剰分泌が続くと、末端の血行不良、内臓機能の低下、便秘、自律神経失調症などの不調につながるので注意が必要です。
常にクマに囲まれて暮らすようなストレス過剰な生活は、あまり体に良くないみたいですね…
ノルアドレナリンが分泌されるとどうなる?
ノルアドレナリンが分泌されると、
- 思考や意識が活性化する
- ワーキングメモリの働きが良くなる
- 集中力が向上する
- 恐怖や不安を感じる
- 覚醒する
など、脳や心に変化が起こり、頭がフル回転するような状態になります。
クマと戦う時にもやはり頭はフル回転させる必要がありますし、ある意味「覚醒」していないと絶対に勝てませんからね。
ただしストレス状態が続くと、ノルアドレナリンの分泌が不足したり、過剰になったりしてしまいます。
ノルアドレナリンの分泌が不足すると、気分の落ち込み、ストレス耐性や集中力の低下など、抑うつ症状を招きます。
反対に、分泌が過剰になると、攻撃的になったり、イライラしたり、落ち着きがなくなったりします。
常にクマと戦闘モードの生活は、やはり脳と心にも良くないみたいですね…(´・ω・`)
(気をつけます)
アドレナリンとノルアドレナリンの使い分け方は?
ちょっとした例え話をしますね。
散歩中に突然向こうからクマが現れたとします。
「ぎゃ~~~~~!!」と叫ぶと同時に、あなたの心は恐怖と不安でいっぱい!!
このように、危機的状況で真っ先に作用するのがノルアドレナリン。
その後、次第に心臓はバクバク、息はハァハァしてきました。
これは、アドレナリンの作用です。
幸い、クマはあなたに興味を示さず山に引き返していきました。
「助かった…」とホッとして恐怖や不安は消えたものの、心臓のバクバクと息ハァハァはその後しばらくおさまりません。
これは、血液中のアドレナリンがまだ体の中を巡っているからです。
このように、危機的状況で脳内のノルアドレナリン(神経伝達物質)はピピッ!と素早く反応できるのに対し、アドレナリン(ホルモン)は血液と一緒にゆっくり体内を巡るので、体に変化が起こるまでに少し時間がかかるのです。
「アドレナリン」「ノルアドレナリン」という単語を使い分けるには、作用にかかる時間差や、作用するのが体か脳か、というのがポイントです(-д☆)!
では、実際にクマに遭遇した時の正しいリアクションの取り方を解説しましょう。
- クマに対面した瞬間、すかさず「今オレら、めっちゃノルアドレナリン出てるよな!?ノルアドレナリンマジパネェよな!?」というように、仲間たちと恐怖や不安を共有しましょう。
- その後ダッシュで逃げながら「うわ〜今めっちゃアドレナリン出てるから超速く走れる〜!!」と調子に乗ってみましょう。
- 最終的にクマに捕まって負傷した時にも「今めっちゃアドレナリン出てるから全然痛くねーし、血もあんま出ねーし、全然平気だし」と強がってみせましょう。
これであなたも、仲間内から一目置かれる存在になるはずです☆
アドレナリンとノルアドレナリンとドーパミンの関係は?
ドーパミンは、アドレナリンとノルアドレナリンの「前駆体」と言われています。
なおかつ、ドーパミンとノルアドレナリンは兄弟みたいな関係でもあるんです!
…って「前駆体」っていったい何のこっちゃ!?
という説明の前に、まずはドーパミンについて簡単に説明していきますね☆
神経伝達物質は60種類以上もあるんだそうです。
その中でも心のバランスを保つために重要なのが「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「セロトニン」の3つ。
三兄弟みたいなものです。
ドーパミンは「快楽ホルモン」とも呼ばれ、快楽、食欲、性欲、意欲などに関係しています。
不足はもちろん困りますが、過剰に分泌し過ぎても幻覚や妄想、依存症などにつながる恐れもあるんだとか…(;´Д`)
では、ドーパミンがアドレナリンやノルアドレナリンの前駆体というのは、どういうことなのでしょうか?
実は、この3つの物質は「チロシン」というアミノ酸が合成を繰り返すことで作られているんです!
まずチロシンを素にスタートして、
- チロシンからレボドパという物質が合成される
- レボドパからドーパミンが合成される
- ドーパミンからノルアドレナリンが合成される
- ノルアドレナリンからアドレナリンが合成される
という順序で、酵素反応などを繰り返しながら変換されていきます。
なので、チロシンが不足すると必然的にドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンも不足してしまうんです!!
「元気が出ないときはアミノ酸を摂るといい」という話には、こんな理屈があったんですね〜(・_・;)
まとめ
最後にこの記事のポイントをまとめますと、
- アドレナリンは「体に作用するホルモン」、ノルアドレナリンは「脳と心に作用する神経伝達物質」
- どちらもストレス状態や危機的状況で分泌される
- ドーパミンはアドレナリンとノルアドレナリンの前駆体
という感じです☆
実は最近、やる気が出なかったり集中できなかったりという症状が続いていました。
もしかしたらノルアドレナリン不足が原因なんでしょうかね…(´・ω・`)
でもこの記事を書いたことで、興奮してノルアドレナリンがドバドバ出てきました。
ついでにアドレナリンもドバドバ出てきました。
覚醒したんだと思います。
今なら、クマも倒せそうな気分です。
あなたもいい感じにアドレナリンとノルアドレナリンを分泌させながら、仕事や家事や勉強、頑張って下さいね(*´ω`*)