健康の悩み

握力の強さと長寿には密接な関わりが!?病気とどんな関係が?

握力と長寿

「自分の握力がどのくらいか知ってる?」
 

そう言われると思わず考え込んでしまう方も多いのではないでしょうか。

私も学生時代に測ったきりですが、普段あまり気にしていません。

だって握力なんてペンとカバンが持てればいいし。
 

と思っていたら、なんとこの握力、長生きと関係しているらしいのです。

研究者の間では「握力は活力のバロメーター」とまで言われていて、握力が下がると病気のリスクも上がるのだとか。
 

そこで今回は握力と長寿の関係を調査してきました。

握力を鍛える方法もご紹介していきますので、ぜひご覧ください。
 

握力の強さと長寿の関係!認知症とも関係している

認知症
握力が活力のバロメーターって、いったいどうして?
 

それは握力が認知症の発症率に関係しているから。
 

握力と認知症、一見結びつかないこの二つですがこんな研究結果が出ています。
 

握力が弱いとリスク倍増?認知症との関係

握力が26kg未満の男性または18kg未満の女性は認知症の発症リスクが2.1倍――
 

そんなデータを発表したのは国立長寿医療研究センター。

これにより握力が弱いと認知症になりやすいことが証明されたのですが、2倍って……高い!
 

またこの調査では次のような傾向も報告されています。
 

  • 握力の弱い人は認知テストの点数が低い
  • 握力が強い人は意思決定診断テストの成績が高い

 

これは握力が大脳の総体積に比例すると言われているため。
 

もちろん個人差はあって、認知症になったら長生きできないというわけではありません。

でも自分自身の意思で判断したり考えたりするのが難しくなると、心も体もなかなか活力にあふれた状態をキープしづらくなるもの。

その意味では認知症は寿命を縮める原因であり、だからこそ発症率に関わる握力が「活力のバロメーター」と言われるのです。
 

握力の目安とは?

では「握力が弱い」とは具体的にどのくらいなのかというと、男性なら30kg・女性なら25kgを下回ると注意が必要と言われています。

日常の場面で例えるなら、
 

  • ペットボトルの蓋が開けにくい
  • 買い物袋を持つのがつらい
  • ドアの開け閉めが重い

そう感じることが増えたら握力が低下しているサインかもしれません。
 

握力が5kg落ちると死亡率や心臓病のリスクが上がる?

認知症と握力の意外な関係が分かったところで、もうひとつ、衝撃の事実を。

しかもこちらのほうが認知症より怖いかも……
 

というのも最近の研究で、「握力が落ちると死亡リスクが上がる」ことが判明したのです。
 

握力と死亡率の関係

(1)世界の研究結果

2015年、医学雑誌「ランセット」のWEBサイトにカナダ・マクマスター大学による研究結果が掲載されました。
 

  • 握力が5kg落ちると全ての原因による死亡率が16%向上
  • うち心臓に関する病気が原因の死亡率は17%向上

※17カ国・35~70歳の男女14万人を対象に4年間追跡調査
 

これによると死因で特に多いのが脳卒中と心筋梗塞とのこと。
 

(2)日本の研究結果

また2012年、日本でも厚生労働省から同様の研究結果が報告されています。

研究では40歳以上の男女2527人を握力の強さでグループ分けし、20年間追跡調査。

その結果、最も握力が強いグループは最も弱いグループに比べて死亡リスクが40パーセント低いことが判明したそう。
 

どちらの研究でも握力とのはっきりした因果関係は解明されていないものの、実際に数字に差が出るなら無視できない問題です。
 

……と随分おどかしてしまってごめんなさい!
 

実はこれ、握力だけが悪者ではないんです。
 

各調査では、握力が強い人はそもそも健康体で日常的に運動をしていることが分かっています。

逆に握力の弱い人は生まれつき体が弱かったり運動不足だったり。
 

「握力が強いから健康」なのではなくて、「健康だから握力が強い」のですね。

そして健康な人は握力だけでなく全身の筋力も高いわけで。
 

つまり握力は全身の筋力の状態を教えてくれる存在なのです。
 

握力を簡単に鍛える方法

握力と長寿
「よし、じゃあちょっと握力を鍛えてみるか」

そんなあなたのためにここでは簡単にできるトレーニングを紹介していきます。

どのトレーニングもご自分の握力に合わせて回数を調節しながら試してみてくださいね。
 

握力トレーニング3選

(1)グーパー体操

軽く手のひらを握ってぱっと開く、これを1回として日に100回繰り返します。

あまり強く握ると血管が縮んで血流が悪くなってしまうので、ふんわりと!

またお風呂など水中で行うと負荷が大きくなり効果もアップします。
 

(2)雑巾しぼり運動

  1. 乾いた雑巾かタオルを持って両腕を前に伸ばす。
  2. 腕の位置はそのままに、雑巾をしぼるように両手をねじる。
  3. 反対側へも同様にねじる。

1~3までを1回として各10回、これを日に3セット行います。
 

(3)ぺットボトル回転運動

  1. 両手に500mlのペットボトルを1本ずつ持ち、両腕を前に伸ばす。
  2. 腕の位置はそのままにペットボトルを内側へゆっくり回転させる。腕は動かさず手首の力だけを使います。

10回1セットとして、日に3セットを目安に行いましょう。

ペットボトルが重いときは水を減らすか小さめのペットボトルに変えてくださいね。
 

筋力トレーニングというと下半身中心のイメージがありますが、上半身を鍛えるのも全身の健康に良いことが分かっています。

手を動かすと腕全体も動くので、握力を鍛えれば自然と上半身の筋肉量の向上につながりますよ。
 

まとめ

  • 握力は全身の健康状態を知るバロメーター
  • 握力が弱いと認知症や死亡リスクが上がる
  • 握力を鍛えると上半身の筋肉量も増える

 

「ペンと鞄が持てればいいし」と言っていた私ですが、さすがに見直しました握力。

そういえば虚弱体質なのにリンゴは素手で潰せるなんて人に会ったことがありません。
 

ちなみに学生時代に測定したときの私の握力は確か……13kg。

何この「お前はすでに死んでいる」宣告を受けたような気持ち!

今日から暇を見つけてはグーパー体操を試してみようと思います。
 

意外と重要だった握力、あなたもぜひトレーニングを習慣にしてみてはいかがでしょうか?