さむ~い季節に足元を温めてくれる電気あんか。
ダイヤルを回せばすぐに温まり、火も使わないので、一晩中つけているというご家庭も多いのではないでしょうか。
我が家でも、高齢に差しかかった両親が毎晩愛用しています。
優しい温かさでぐっすり眠れると喜んでいますが、ちょっと心配なことも…。
それは火事と低温やけど。
電気製品とはいえ発熱するものなので、やっぱり気になりますよね。
そこで今回は、電気あんかのやけど事故の原因と対策をしっかりチェックしていきたいと思います。
電気あんかのつけっぱなしで火事や低温やけどが起こった事例
電気あんかの事故なんてあるの?そんなに温度が高いようにも思えないけど……
なんて油断しがちですが、実際にはこんな事故が起きています。
電気あんかによる火事
事例1
数年前に購入した電気あんかをつけっぱなしで寝ていた男性が、金属音と焦げた匂いで目を覚ますと布団や毛布が燃えていた。
すぐに霧吹きで消火したが男性は左手をやけど。
この電気あんかはメーカーが回収を呼びかけていた製品で、発火の原因は電源コードの芯線(電気を通す線)が半断線したためだった。
事例2
女性が電気あんかをつけっぱなしで寝ていると、急に布団が熱くなり、毛布が焦げた。
こちらも原因はコードの断線。
女性は電気あんかの本体にコードを巻きつけて収納していたため、コードがねじれて負荷がかかりショートしたと思われる。
どちらのケースも大事には至らなかったものの、もし気付くのが遅れていたらと思うと怖いですね……。
私自身、寝ぼけているところに布団が燃えたらパニックになって、すぐに消火できる自信がありません。
電気あんかによる低温やけど
事例1
温度を「中」に設定した電気あんかに足を乗せて2~3時間寝ていたところ、足首をやけど。
事例2
普段から睡眠薬を飲んでいる女性が電気あんかに足を乗せて寝入ってしまったところ、両足をやけど。
気持ちよくうたた寝している間にやけどしてしまうなんて……。
また低温やけどってしくしくと長く痛むんですよね。それが両足だなんて、聞くだけでつらい!
電気あんかのつけっぱなしで火事や低温やけどが起こる原因は?
電気あんかの事故はどうして起こるのでしょうか?
その原因を詳しく見ていきましょう。
①電気あんかで火事になる原因
これはずばりコードの断線!
コードの中には電気を通す芯線が入っていて、ねじれたり引っ張られたりして負荷がかかると過剰な電流が流れ、発火につながってしまいます。
使い終わったらコードを引っ張ってコンセントから抜き、本体にぐるぐる巻きつけて収納。
そんなついついやってしまう何気ないことも、コードにはとても負担になるんですね。
②電気あんかで低温やけどになる原因
低温やけどとは、体温より少し高いものに長時間触れることで起こるやけどのこと。
「熱っ!」とびっくりするような温度ではないために気が付きにくく、皮膚の奥までダメージを負ってしまうのが特徴です。
低温やけどを引き起こす目安は44~50度。
一般的な電気あんかの温度は
- 弱……30度
- 中……45度
- 強……60度
なので、温度設定によっては十分に起こりうる事故と言えますね。
またやけどが始まるまでの時間も意外と短く、皮膚の表面温度で見ると次のようになります。
- 44度……3~4時間
- 46度……30分~1時間
- 50度……2~3分
電気あんかに足を乗せたまま寝入ってしまったら、4時間でもあっという間に超えてしまいますね。
布団に挟まれて密着していると、もっと短い時間でもやけどしてしまうそう。
電気あんかの事故を防いで安全に使うための注意点は?
意外と危険だった電気あんか。
でも優しい温かさですし、安心して使いたいですよね。
事故を防ぐにはどうすればいいのか、まとめてみます。
電気あんかの火事対策
- コードを曲げない
- コードを引っ張らない
- コードに重い物を乗せない
- コードに異変があれば買い換える
コードを家具の下に敷いたり、ドアで挟んだりしていませんか?
ネコやウサギなど、ペットのいるご家庭では、コードをかじったり引っ掻いたりしないよう対策してあげてくださいね。
丁寧に扱っていても、コードは少しずつ劣化していきます。
付け根が熱くなったり、動かすと電源が入ったり切れたりするなどしたら、早めに買い換えましょう。
電気あんかの低温やけど対策
- 寝るときに布団から出す
- タイマー付きの電気あんかにする
- 厚手のタオルで包む
- ダイヤル面を下にして使う
- 体調や体質に気を付ける
あらかじめ布団を温めておき、寝るときには電源を切るのが一番の対策です。
とはいっても寒くて、なかなか実践は難しいかもしれません。
そんなときには、厚手のタオルで包んで皮膚に当たる温度を下げましょう。
電気あんかはダイヤル面にヒーターが取り付けてあるので、裏返しにして使うのも手ですよ。
また低温やけどは自覚症状が少ないもの。
皮膚の弱い乳幼児や高齢者、病気で血行障害のある人は重症化しやすいので、温める部位をときどき変えるなどして気を付けてあげてください。
お酒に酔っていたり、薬を飲んだりして感覚が鈍っているときにも、電気あんかの使用を控えるか、設定温度を低くしましょう。
まとめ
以上電気あんかの使い方についてまとめると、
- 電気あんかの火事はコードの劣化による断線で起こる
- 電気あんかの低温やけどは長時間同じ部位を温めることで起こる
- 火事を防ぐにはコードを丁寧に扱う
- 低温やけどを防ぐには布団から出すか毛布で包む
ということでした。
コードを制する者は電気あんかを制する。
ついついやってしまう小さな行動に気をつけるだけで、事故のリスクを大きく減らすことができます。
我が家も早速今日から両親と一緒に電気あんかの使い方を点検してみたいと思います。
皆さんも是非電気あんかの使い方を見直して、寒い冬を温かく安全に乗り切ってくださいね。